明けなかった朝と妄想の夜

昨日の夜、ずっと放置されていた人と縁を切った。

まあまあ好きだっただけに切なさが募った。

放置されてるだけあって今回も返信が遅かった。でも優しくて、でもあっけなく別れを受け入れられた。

好きで切なくて悔しくて心臓がバクバクしてなかなか眠りにつけなかった。

寝たのか寝れてないのかわからないまま朝がきて、起きてからもずっとその人のことが頭を占領した。チャットモンチーの曲(特にハナノユメ)がやけに胸に刺さった。

 

母に、昨日私が買った新しいお高めな柔軟剤で、お気に入りの寝巻きを洗ってもらった。

私の推している芸能人(?)アーティスト(?)の匂いがした。

推しに会ったことはない。もちろん匂いを嗅いだこともない。

でも推しの優しくてしっかりした性格や話し方、見た目、全てが、この柔軟剤の匂いっぽかった。

袖を通し体に柔らかな推しを纏って布団に入ると、推しに包まれて寝ているようだった。

少なくとも一人ではなかった。そこにあったのは誰かの匂いだった。

 

さっきまで配信で話していた推しと寝ることを想像するのは容易だった。

髪を撫でられ頬に大きなリップ音でキスを落としていたずらに微笑む。

おやすみと微笑む推しに自然と私の表情も緩んでくる。

今日は夜が終わり朝を迎えられそうだ。