私にとっては本気の火遊び。
彼はキャンプファイアー。
そんな生ぬるい場所で見てるだけじゃ何も感じないのよ。
もっと熱く、火傷するくらい燃えなきゃ。
ビビって火を遠くから見て暖まっているような貴方には分からないわよね。
大火の中にいる私のことなんて。
火の周りにすらいない人たちと群れてたら自分が火遊びしてる気分になるわよね。
自分が楽しむだけで楽しめるなら貴方はずっと誰かの火を使って暖まってればいいのよ。
私はそんなの御免だわ。
もっと熱く燃え上がりたいの。
だから貴方と本気で楽しみたかったの。
貴方は私を恐れていたから、私は何も言えなくなった。
何も言わない私に彼は憤慨していたけど、
私の首を絞めたのは貴方だったのよ。
そんなことすら首が絞まってて言うことが出来なかったけど。
私は彼に私があげたものが欲しかった。私が丁寧に心を込めてあげたプレゼントは私が欲しいものだった。
彼なら少し考えたら分かったはずだし、きっと私が欲しいものを分かっていた。でも、私にそれを与えることはしなかった。
私は彼に少し重い話をした。
酷かった昔の人の話。
彼は楽しみたいだけなのにそんな話をされたくなかったと早口で捲し立てるように怒った。
適当にその場を乗りきった。今考えるとそんなことを言う彼はとてもとても幼かった。
そのあと普通の会話に戻れたのはせめてもの救いだった。
彼のバイトの時間になり一緒に家を出て別々の方向になったとき、彼はバイトで先に帰る人にかけるかのように「お疲れっ」と言った。咄嗟に私も「おつかれ!!」と明るく手を振ったけど、何に疲れてるんだろうと思った。「また」がないけど「じゃあね」でもないから彼なりに考えてこの言葉を選んだのがひしひしと伝わってきた。
私は別にそれならそれでも構わないわ。
ゲームなんて世の中には溢れるほどにあるのよ。
使い捨てのゲームだってあってもいい。
楽しくないなら捨てればいい。
欲しかったらまた買えばいい。
でも、あの時、有無を言わせない空気を作っておきながら何か言えとか、正直に言えとか言ってきて、私が言えなくて怒ってきたこと、絶対私は悪くないとおもう。絶対。