渋谷で歩いてたら声をかけられた。
小さな音で音楽を聴いていたからちらっと見てすぐ聞こえないふりをした。
顔を見てみたら、私の誕生日にナンパしてきた人だった。
同じようなところで声をかけてきた彼は、きっと私のことを忘れてる。
1ヶ月以上前だから無理もない。
逆に1ヶ月声をかけ続けてるのかと思うと彼は満たされることはあるのだろうかと勝手に可哀想に思えてくる。
きっと、顔はそこそこだから数人は引っ掻けて吐き出すものだけ吐き出しているのだと思う。
彼は満たされたいのに取り込むどころか放出しようとしている。
私が満たしてあげることは出来ないのだけれど、通りすがる時の哀しそうな目は心がざわっとしてしまう。
そこまでもが計算なのかもしれないが。