コーダ~あいのうた~を見て。

コーダを1人で見て。

 

感想を探してみたけど言葉が出なかった。

そんな自分の語彙力がすごく悔しくなった。

それでも言葉にしたい、言葉にすることから逃げたくないと思った。

「よかった」といった京都の彼の気持ちがわかった。

彼にどうしても会いたくなった。

彼を思うと胸が苦しくなって、このまま夜行バスで抱き締めに行こうかとおもった。

映画は彼そのもののように感じられて、彼を少し知れたような気がした。

彼が隣にいるような気がした。彼と一緒に見ている気持ちになった。映画を見ている彼の右手を手を握りしめてあげたいとおもった。

これから一人暮らしを始める私にとっても他人事ではない話で自分としても言葉にできない何かを感じた。

夢を追いかけることがリアルと重なるときの苦しさがどうしても彼の痛みに見えてしまって、映画の主人公にも、彼にも私はどうしてあげることもできなくて、すごくもどかしかった。

主人公の才能が羨ましかった。

男の子と崖から飛び込んで笑い合うのを私も彼としたいと思った。同じではなくとも精神的に。危なくて楽しいところに連れていってあげたいと思った。そしてバカみたいに笑いあってから真剣なキスをしたい。

別れ方もすごく素敵で綺麗だった。

家族への愛や、責任感の強さは、私にも、きっと彼にもあって、夢と自由へ突き進む強さも私たちにもあって、そこがこの映画に共感されて、成功体験を見せられて、自分の勇気や活力、進む道に変わっていくように思う。

歌がすごく上手かった。

表現するものに心が全て現れてしまうのもすごくわかるし、動いた感情全てが豊かさに変わっていくこともきっと分かっているから、抑制せずにいい道を選べた主人公に、憧れや尊敬なのかわからないけど、なんかごちゃごちゃしている、言葉にはできない何かしらの感情が芽生えた。

ぼっち参戦パーカーを着てたら大地さんが絡んでくれた

オールナイトフェスに行った。

会場につくといつも仲良くしてくれる趣味繋がりのお姉さまたちと合流した。適当に写真を撮り、アーティストの出番を待った。

片思いしていた踊り狂うのが上手い関西人のあの人の思い出が何回かよぎった。

彼と見たかったなぁと思う気持ちと、彼の分まで楽しもうと思う気持ちと、全て忘れて1人で楽しもうという気持ちが拮抗した。

お姉さまに彼の話をしたら、そんな男忘れてしまえと言われ、自分が「やり捨て」されたのかもと事実が言葉になった瞬間に心が軽くて重くなった。

思い出を明るく塗り替えてくれたお姉さまたちが電車のある時間に各々帰っていって、22時頃には私1人になった。

最近はいつも誰かがいたし、1人だったとしても、片思いの彼が来るかもしれないなどの邪念からライブに申し込んで待っていたりしてたから、久しぶりのひとりぼっちだった。

メイクを落として、二階席で好きでもない音楽を聞いてうとうとして、いいと思った人がいたら上半身を揺らして体を休めた。

1人ならではの楽しみ方だ。さとうもかの曲は都合よく使われる可哀想な女の子の歌で、私が黒猫から受ける仕打ちみたいでグサッと刺さった。嫌じゃないけど。

一階に降りてきて、かまってちゃんやスギムを見て、深夜に見るこの刺激は新鮮だなぁと思った。

DJダイノジがまだあるのにアンコールをねだるハンブレッターズのお客さんにイライラして少したったとき、DJダイノジが始まった。

朝4時にこんなに動くのかと思うほど荒れ狂うように踊った。暑いし楽しくて時間も我も忘れて踊った。

こんな時あの人ならどうしたかなぁとか、隣にいたら楽しかっただろうなぁとか頭をよぎって、これが、「貴方と朝まで踊りたい」ということか!と思った。けどきっと、そのような歌詞は本気で踊るわけではなく、なにかしらの隠語として使ってるだけだろう。ガチで思ってるのは私くらいだと思う。

 

私は惚れやすいタイプだから、基本的に意識したら誰でも好きかもと思ってしまう。

だから今は自分がよくわかってないし、だからこそ、今は誰も選ばず1人で生きていかなければならないとも思う。

 

1人で暇を潰せない私なら人と関わろうとしないほうがいい。ってわかってんだから関わろうとするなよ…って言ったそばからよく分からん男に寂しさを埋めさせようとしているじゃんか。

黒猫

通り雨で透けた服

私を見た黒猫が

ぎらっと光った目で私を軽蔑した

見てみぬふりした私は

黒猫に背を向けて繁華街へ

本当は黒猫を追いかけたかった

その先に不幸が待ち受けていたとしても

黒猫の孤独を分かちたかった

綺麗な色になって黒猫に愛されたかった

でもどうしても黒猫のことが怖かった

瞳に吸い込まれて戻ってこれなくなりそうで

なかなか素直になれなかった

そんな私を分かっているから

きっと黒猫は去っていく

 

 

 

壊してくれた鎧

一言で一喜一憂し、心をぐちゃぐちゃに乱されて、いつものような作られた綺麗な感情が作れなくなってきた。

 

モヤモヤして苦しくてメンヘラが強めで私なんかって思ってしまってでも少しの優しい言葉にすがってしまいそうで。

 

そんな苦しさの中で聞いた私の携帯の中の音楽は私を全力で励ました。

 

そのとき、自分が中学生になっていることに気付いた。あの頃から少しずつ見つけてきた私を癒す音楽が無駄ではなかったと思ったし、自分が壊してほしいと切望していた鎧が砕けてやっと裸になることができた。

 

マリオ1アイランドをクリアして、取り残してきたコインやメダルなどの宝を回収しに1-1まで戻る。

 

今の私なら未知の土管の中でボロボロになっても、通ってきた道のキノコやスターの場所は分かってるからきっとまたすぐにゴールできる。

 

今は土管のメダルを取るために、裸になった本物の自分でたくさんもがいて傷ついて筋トレして、本当の自分を強くしていきたい。

 

「俺には気を使わなくていいよ」は優しさじゃなく、「傷つくことを恐れずに裸一貫で立ち向かってこい」という挑戦状だとおもう。のぞむところだ。

「一言」

一言で心を動かされた。

「気を使いすぎてるでしょ」

その一言はハッとさせられる言葉だった。

どこかのドラマにも、ググると出てくるモテフレーズ集の中にもない、その人が私に向かって言ってくれる言葉だった。

 

言葉は私の深層をじんわりと温めてくれた。相手が私以上の凍える経験をしていたからこそ出る温かさだと思うと一層ありがたみを感じた。

 

私の知らない私を見つけさせてもらって、その目の鋭さはナイフがひと突きで体を貫通して真っ直ぐに抜かれたようだった。

 

今回のその人の言葉は、今まで誰も見つけてくれなくて、私もその感情の居場所を忘れてしまっていた「隠している本心」を見透かしてくれた。

それも、核心に触れてこじ開けるのではなく、出来立てのわたあめのようなほんのり温かくてふわふわした優しさをそっと私の前に差し出してくれた。

 

その人の言葉・態度は汚物の処理に慣れてるようだった。犬かなにかを飼っているか、もしくはきっと、今までにとんでもない女と付き合ったり、酔っぱらいからとんでもない迷惑をかけられたり、散々な目に遭ってきたのだと思う。

それがその人をこれほど魅力的にさせるから、辛い汚い経験はその人の深みを作るのだと心から思えてくる。

そんな経験があったかどうかはわからないが。

 

人の寂しさに気付けるのは自分が寂しさを知っているからという彼の考えは、私の色・形ととても似ていた。

 

私はその人に付き合ってほしいと思ってない。その人もきっと、付き合いたいと思ってない。性を満たす都合の良い関係を狙っているわけでもきっとない。でも、嫌っているわけでもない。

そこまではきっと共通している気がする。

ただ、その人はタバコで私は火遊びなだけ。だと思う。

 

なんでも構わないから構ってほしい。それか、その心地よい一言で私を突き刺してほしい。今はそれだけ。

パンドラの箱が開いた

私は自分に驚いた。

 

一昨日お母さんとお酒を飲んで語り合っていたとき、思ってもいない言葉が自分の口から溢れ出ていた。

 

今の私は何の不幸せもなく、辛いこともなく、穏やかな生活を送っていると思っていた。私の性格も、明るくて元気で何を言われても跳ね返す切り返しができる最強な存在だと。脳はそう考えていた。

 

でも、心はそうではなかった。

酔って話し始めた私はネガティブの塊。

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酔った私曰く、私は劣等感を感じやすいらしい。ゴルフレッスンの体験に母と行った時に、母だけ上手くできて褒められていたのが気に食わなかったようだ。それから、自分に趣味がないことにすごく焦りを感じていて、焦りから色んな趣味を調べて色んなことを体験して必死になって探したのに自分の趣味が見つからなくて、そんな何もできない何も楽しめない自分を悲観しているらしい。母が音楽があるじゃんと言うと、声を荒げて「音楽なんて楽しいものじゃない!何か辛いことがあったときに都合よく癒されるだけで、何もないタイミングで見ても何も感じない!」と泣きながら反論していた。(そうだったのか…)そして、私は今まで何も成し遂げてないことを深く後悔しているらしい。運動も勉強もその他活動類も今まで結果を出していない。頑張ったことが今までないから負けることも今までしてこなかった。私は負けるのが嫌いで、昔は素直に泣いて嫌がっていたけど、いつの間にか、おちゃらけて気にしてなさそうに振る舞うのが得意になっていた。ゴルフの時もそうだった。コーチの説明も分からないときは元気よく分からないと言えたし、母に比べて私が下手だと言われても笑顔で運動やったことないんですよね~😆なんて切り返した。本当の自分は人の話を聞けなくて、劣の判を押されるのが泣くほど嫌なのだ。これから社会人になって、何回も劣を押されると分かっていて、強い鎧を貫通した刃が弱い私に刺さったとき、私は立ち直れるか分からなくて不安になっている。らしい。

 

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私は私がこんなことを思っているなんて知らなかった。知らなかったわけではないのだけれど、ポジティブに切り替えるために、ネガティブな気持ちに無理やり蓋をして、それっぽく解決した気になって今まで気付かないフリをしてきた。

酒と涙と共に溢れ出た言葉たちは、中学生の時くらいから溜めてあった醜い感情だった。

酔ったことで潜在意識の箱が開けられ、ネガティブたちがこのままではダメだと自制心と闘い出てきてくれた。

 

ダメな自分をどう抑えて感情をコントロールするかを考えてきたけど、今の私は次のフェーズに差し掛かっているようだ。

自分に不都合な感情をコントロールするのではなく、一旦、感情を全て解放してみる。弱い自分を強くしようとするのではなく、弱い自分に落胆し、少しずつ弱さと正面から向き合ってみる。

 

もう、強くなくていい。無理に強くしなくていい。無理にネタにしなくていい。潜在意識がそうシグナルを送っているのだとおもう。

 

 

スルースキルは優しさすぎる

2020年10月31日、一人でライブに参戦したことがきっかけでその人と出会った。

会場のゴミを拾って捨てるようなできた人だった。野外音楽ライブなのにレジャーシートやたくさんのお菓子、飲み物をリュックパンパンに詰め込んでいて、とても準備の良い人だった。

会ったその日に恋をした。会場で解散したくなくて、車に彼を乗せて1時間近くドライブがてら彼を駅まで送った。

彼が行く次のライブに誘われて行くことにした。ライブ終わり、だいぶ強引に彼の家に泊まらせてもらった。

それからも、彼が行きそうなライブに偶然を装って参戦した。

見つけて声をかけると話してくれるし、会場から駅までの帰り道も一緒に帰ってくれた。

告白まがいのことも言った。彼は見事にスルーしてくれた。

ライブに空いてる時間やお金をすべて費やす人だったから、付き合えるとおもってなかったし、付き合おうとも思ってなかった。

それでも惹かれているのは事実だった。

ずっとライブに行けば会える存在だと思ってた。

 

1月後半に被ってたライブで彼は1月いっぱいで実家に帰ると言った。

彼と会える最後のライブが彼の家の近くだったから、送別会としてお酒を飲みに行こうと誘った。彼も了承してくれた。

ライブは卒業をテーマにした公演で私と彼の最後にふさわしい内容に思えた。別れの歌がやけに染みた。

終わると、たくさんの飲み屋が閉店する中で1件だけやっているお店を見つけて入った。レモンサワー飲み放題だったから、自分の機能が壊れて自分の家に帰れなくなるまで必死にお酒を飲んだ。そうでもしないと彼といれないような気がして、彼への一歩を踏み出せない気がして必死に自分を壊した。

壊した自分がどうなったかの記憶はないけど、気付いたら彼のベッドで二人で寝ていた。撮った記憶のない人の写ってない部屋の写真が撮ってあって、その時の自分が楽しんでいたことが伝わった。

目が覚めると彼も起きて彼は私の腕に収まった。彼は何も言わなかったけど、「始まる」のが分かった。

彼は今まで一切私のことを呼んだことがない。始まっても始まらなくても。

少し確かめたくなって、「こういうことするってことは私のこと嫌いじゃないってことだよね」と聞いた。「会ってからずっと嫌いじゃないって言ってたんやけどなぁ」と独り言かのように言ってくれた。それだけで何もかも十分だった。

そのあと「終わる」まで終始無言だった。きっとここまで彼に想いがなければ色々思うことがあったかもしれないが、彼のことを推しとして崇めていたから、幸せに思っていた。

起床のアラームが鳴って準備してライブのダサTしか見たことなかった彼のワイシャツ姿は尊い以外の何物でもなかった。アパートの出口で行く方向が逆になる彼と少し立ち話。

彼はSNSでライブ行ってるとか分かるからまた会えるやろって言ってくれたけど、私はもうきっとポリなんちゃらのライブにもテレなんちゃらのライブにも行かない。それにこれから仕事が始まって他の人のライブでさえ行くかどうか分からない。

ライブ被ってたやんなんて言われたから合わせてたんだよぉって小突いたらそれもさらっとかわされた。どこまでも流せる人だった。なるべく明るくじゃあねと手を振って駅へ向かった。

歩いてるくらいから二日酔いの胃の不快感が発生した。自分の壊れた体が健気でいとおしかった。

電車に揺られると不快が悪化してもっと辛かった。苦しければ苦しいほど、彼を好きだった気持ちが本物だったように思えて、嬉しさもこみ上げてきた。

 

どこまでも推しでいてくれた彼は、私の気持ちを一度も拒まなかった彼は、一般的には罪深いけれども私にとっては優しさの塊だった。

 

でも、結構言ってた「俺モテない」は嘘だとおもう。

そこだけは有罪。