未練と思い出の違い

中野駅に住む男が元カノのことを忘れられないでいるという。いちいち、ここは元カノと来たから通りたくないとか、思い出すから入りたくないとか言う。元カノは三鷹に住んでいたらしく、中央線沿線で頻繁に遊んだから思い出が詰まっていて中野より西には行けないらしい。

そいつと私は付き合ってはいないが8月の下旬から週3以上の頻度で会っている。付き合ってなくてこれはだいぶ長期で短スパンだ。

私は今の関係が気に入ってるから彼と付き合いたいとはあまり思ってはない。なんなら、彼はあまり話す方でもなければ、面白くもないし、話を聞いてくれる人でもないから、そんなにデートとかして長時間一緒にいたくない。そして彼も私の話が好きじゃないらしい。それでもお互いにまぁ嫌いじゃないし、他の人と出会うのも面倒だし、利害も合うから多分続いてる。

だから(というかたぶん他の私が付き合ってた人たちでもしないとおもうが)元カノに嫉妬しないし、悲しくならない。

でも、悲しんでる彼を見るのは少し悲しいから、さっさと気持ちを切り替えられればいいのにとは思う。

私は元カレのことも元カレと行った場所もその時キュンとした言動も絶対忘れない。なんなら、本当はどの元カレにもまた会いたいと思う。だって一度愛した人だし、嫌いになって別れたわけじゃないから。でも、また付き合おうとは思わない。私も相手も付き合い続けようとしたけど、どうにもならなくて別れてるから。だから、おー久しぶり~って、友達みたいにフランクに話して笑いあえるくらいがちょうどいい。それであーこんなところが好きだったなぁなんて思い返したりして。

女々しく甘えるときもあったけど、一緒に馬鹿馬鹿しいことで笑いあい楽しめる友達みたいな時間が大好きだったから、私にとっては元カレでもあり、元友達でもある。

だからもし、誰かと結婚することがあったら、元カレたちを結婚式に招きたいと思ってる。彼らは他に話す人がいなくて気まずいだろうけど、彼らが居なかったら不安定な私は今ここにいないだろうし、女友達よりも大切にしてきてされてきて、女友達の愚痴も聞かせてきたくらいだから。

これは未練のように過去にすがってるというよりは、今、心からの感謝なのだと思う。

輝かしかった日々を思い出したくないなんて悲しいから、あの店の料理美味しかったなって思い返すみたいに楽しそうに話してもらえればいいのにな。

 

なんて、私としっかり話すのが苦手な中野の彼にはどう伝えようもんか。