居酒屋るる

牛すじ大根についてるゆず胡椒をつまみに冷たいカルダモン焼酎ソーダ割を飲んでいると、雪解けのふきのとうのような、一面の菜の花畑のような、爽やかで可憐で儚い黄緑とレモンイエローの…いやそれは一面の雪景色の中に一束、三輪くらいの菜の花が咲いていることを思わせる味わいだった。
暴力的な白レバー×ニンニク塩も美味しいけれど、複雑なカルダモン焼酎の前ではあまりマッチしない。和風かな?個性的すぎて合わせ方が難しい。洗練されているけど白でもなくて、ただのレモンイエローではなく、少し茶色がかったエスニックレモンイエローなの。ジャンキーな強さはなくて、か弱さもなくて。でもなんでも合わなくはない。
なんか酔ってるのかな?気持ちいいな。
今日は普通に人と喋れたな。
好きなものって自分の性格と似てる気がする。
強い臭いなのに味は邪魔しなくて、それ自体に味はなくて、でもその匂いはカルダモン以外の何者でもない。
なら、私とぴったりの人を見つけるには、自分の好きなものを相手に合わせるか、自分の好きなものに合うもの(人)を見つける。
そりゃレモンサワーとかビールに合うものは出会いやすい。
1人の方が魅力的ってことだってある。
何かに合わせない魅力があることも理解した上で何かと合わせたいと思ったとき、私は何と合うのだろう。

なんでも合わせられるもの、たとえばカレーとかチーズとか、そういうものにぴったりと合ってしまうのだろうなと薄々気付いていてその上で合わなくはないものなら拒まないのも私なのだろうと。
嬉しくて、少し切なくて少し誇らしくて、少し悲しい、えもいわれない気分だ。