まだ売れてないバンドのライブに行った。
ほとんどが関係者で、みんな知り合いの知り合いだったりして、和気あいあいと談笑していた。
私は入れるわけもなく、ただ楽しそうだなぁと見ていた。
演奏が始まると演者をよく知る人たちだから適切なノり方で演奏を聞いて踊っていた。
その和やかな雰囲気につられて一緒にノることができた。楽しくてずっとずっと口角が上がっていた。おぉ～楽しいなぁ～
演奏が終わるとまた歓談が始まる。私はまた居場所をなくして埃のような気分で待つ。はぁ。暇。どこでどんな顔をしていよう。。。
演奏が始まってまた盛り上がる。
わぁぁ～楽しい～！
それの繰り返し。
演奏がずっと終わらなければいいのに。
転換せずすぐに次のバンドの演奏が聞けたらいいのに。
＋1Dのお酒を飲む時間なんてなくていいのに。
でも、そんなことはできない。
上記の状態が実現されることはないし、
音楽関係者にならない限り、売れないバンドのライブは居づらい環境がなくなることはない。
男女の関係に途中で終わることが通用しないのと同じように。
欲しいものを得るときにはいつも「私だけが要らないもの」がついてくる。
最高の一瞬を味わえることも、それ以上に苦しむことも分かっていて、それでも今日も扉を開いてしまう。
演奏なんてちゃんとしなくていいのに。打ち込みだかカラオケだか知らんが出来てるもの流すだけでいいのに。
私に元気な笑顔を向けてくれるだけでいいのに。それだけでいいのにな。
無理だけど。
楽しかったと、居づらさと戦うはめになる沼に嵌まっていく自分に苦しさが自分の感情をぐちゃぐちゃに掻き回す。
音楽を鳴らすだけでいいのに。
私が気持ちよくなれればそれだけでいいのに。
それだけでいいのに。
それだけでいいのに！！！
